ダイエット・ファスティング

戻る

 巷には様々なダイエット方法があふれています。

その中で最もお勧めできない危険なダイエット法があります。

~ 危 険 ~ それは“低炭水化物ダイエット”です。

 “炭水化物を避けることによって、体重を減らすことができると言うのは疑う余地がない。しかしその体重が減る理由が曲者なのである。炭水化物を摂らないと、身体はすぐに肝臓に蓄えてあるグリコーゲンを使い、脳のために血糖値を維持しようとする。また筋肉に蓄えてあるグリコーゲンも、筋肉を動かすために使われる。

 グリコーゲンは親水性-水と仲良くなる性質-で、組織の中にあるときは水と結合している。実際、自分自身の重さの2倍から3倍の水と結合しているのだ。ということは、グリコーゲンが満杯に蓄えられている時は、数ポンド(2~3kg)の水も一緒に蓄えられていることになる。

 蓄えたグリコーゲンが減るにつれて、この水は尿として排泄される。この事は素早くおこるため、いつも太ると言われている物を食べているのに良い結果が出て、ダイエットをする人たちは喜んでいる。

 心に留めておくべき重要な事は、低炭水化物ダイエットまたは無炭水化物ダイエットがもたらす、はじめの体重の減少-通常5か6ポンド(2~3kg)-は水のせいであり、また再びでんぷんや砂糖を食べ始めれば、すぐに元に戻ってしまうのである。”
(Andrew Weil著 : eating well for optimum healthより。訳:鹿山)

 “アトキンスの本が最初に出版された時、医学界は支持しなかった。ハーバード大学の栄養学部長は、アトキンスダイエット法を勧めることは「医療過誤に抵触する」と医師たちに警告をした。

 また、アメリカ栄養学会の会長は「過去50年間に提唱されてきた風変りなダイエットの中でも、これはダイエットの期間を問わず、最も人に危険なものである。」と言った。

 「アトキンスダイエット法をするのはどこが悪いのか?」と尋ねられたメリーランド州首席保健衛生官は次のように答えた。

 どこが悪いのかって ・・・ 睡眠薬の過剰摂取は危険でしょう。 ・・・ 同じようにこれらの栄養学上不合理なダイエット法は、体重は減るだろうが、健康やそして生命さえもリスクにさらすのだ。

 最近、アメリカ栄養学協会がアトキンスダイエット法を「悪夢のダイエット」と呼んだ時、ロバート・アトキンスはそうした批判を「栄養士のたわ言」と退けようとした。そして「私のイングリッシュ・シープドックの方が栄養士よりも栄養をよく理解しているよ。」と荒い鼻息で言った。

 しかしアトキンスと彼のシープドックには不幸なことだが、世界中の権威ある健康科学のあらゆる組織が、彼のダイエット法に対して、強く警告する声明を発したのである。その中にはアメリカ心臓協会、国立科学アカデミー、アメリカ癌協会、アメリカ癌研究協会、アメリカ腎臓基金、アメリカスポーツ医学会、そして国立健康協会などがある。”
(John Robbins著 : Healthy at 100より。訳:鹿山)

このように炭水化物を摂らないダイエット法は、成功しないばかりではなく身体にも非常に危険です。