毛髪ミネラル分析

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 肉などのタンパク質は20種類のアミノ酸が、たくさんつながった物です。そしてその20種類のアミノ酸のうち、人の体内で合成できない9種類のアミノ酸(トリプトファン、ロイシン、リジン、イソロイシン、バリン、スレオニン、メチオニン、フェニルアラニン、そしてヒスチジン)を必須アミノ酸と言います。

 この中のメチオニンは代謝の過程で一時的にホモシステインという物質に変化します。ところが、このホモシステインが動脈硬化を引き起こす原因の一つと考えられているのです。

 この時、体内にビタミンB12と葉酸が十分にあればホモシステインは再びメチオニンに戻ってくれます。そしてさらにビタミンB6が十分にあればホモシステインは無害なアミノ酸・・・システインに変わってくれるのです。

ホモシステイン説明図

 さらに2004年、アメリカとオランダで別々に行われた2つの疫学研究により、ホモシステイン量が多くなると骨折のリスクが高くなることもわかりました。

 骨の構造はよく鉄筋コンクリートに例えられますが、コラーゲン繊維が鉄筋の役割をして骨の強度を保っています。そしてそのコラーゲン線維はコラーゲン架橋と呼ばれる物によってつなぎ止められています。コラーゲン架橋には、リジルオキシダーゼの作用によってコラーゲン2分子又は3分子間に形成される生理的架橋(善玉架橋)と、酸化ストレスや高血糖によって形成されるAGEs架橋(悪玉架橋)があります。

 体内のホモシステイン濃度が高く、ビタミンB6が不足しているとリジルオキシダーゼが抑制されて生理的架橋(善玉架橋)の形成が低下します。さらにホモシステインは酸化ストレスを高める作用もあり、ビタミンB6の不足と共にAGEs架橋(悪玉架橋)を過剰に形成させ、骨をより脆くさせて行くのです。

 寝たきりの原因は「転倒・骨折」、「脳血管疾患」、「心臓病」の3つで5~6割を占めています(2005年度・東京都)。

 血中ホモシステイン量を低く保つために、ビタミンB6、B12、そして葉酸を適切に摂りましょう。